第126章 それでも俺を愛していたのか

 ホウデンは俯いたまま、しばらくしてようやく呟いた。

「だが、だからといって彼女を見捨てるわけにはいかないだろう」

 アネルは唇を引き結び、地平線に沈みゆく太陽に目をやった。

「誰もあなたに見捨てろとは言っていません。これはあなたの選択です、ホウデン。誰もあなたを強制してはいない」

 ホウデンははっとし、無意識に後ずさろうとしたが、背後の木がその歩みを阻んだ。しばしの間を置き、ホウデンはゆっくりと地面に滑り落ちるように座り込んだ。彼が顔を上げると、ちょうど逆光の中に立つアネルの姿が見えた。その眼差しは冷ややかで、それでいて女神のように美しかった。

 彼の喉がごくりと鳴る。まるで苦い...

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