第172章 あなたと結婚したい

アネルも同感だった。

何しろ、フリーデルという男は平素から厳格そのものだ。東部戦場で共に過ごした時間は長かったが、交わす言葉といえば戦術論ばかり。唯一の例外といえば、彼がスコダ公爵の慰霊碑に案内してくれた時くらいだろうか。

しかし、一体どのような問題が起きて、フリーデルがわざわざ自ら足を運ぶことになったのか。彼の封地とヴェルリット家の領地は決して近くない。ただの世間話をしに来たなどと、アネルには到底信じられなかった。

まさか、ソース帝国とゾット城の盟約に関することだろうか?

そう考えを巡らせている間に、フリーデルが応接室に入ってきた。その冷徹な双眸が、瞬時にアネルを射抜く。

「アネ...

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