第299章 見知らぬ医師

アネルは思わず吹き出してしまった。しばらくして、彼女はルカスの頭を優しく撫でる。

「お兄様だって、痛いのが平気だったわけじゃありませんよ。小さい頃、一緒に木登りをして落ちた時は、随分と長く泣いていましたもの」

「お父様はきっと、痛くて泣いたんだね。ルカスも泣いちゃうかもしれない。でも、ルカスは怖くないよ」

昼夜を問わず馬を飛ばして駆けつけたサムナーは、その言葉を聞き、慈愛に満ちた眼差しをルカスへと向けた。

パスカル医師によってルカスの足の繋ぎ直しが可能だと判断されるや否や、アネルはヴァーンカ家へ早馬を出した。当初はヴァーンカ公爵夫妻が揃って訪れる予定だったが、その話を聞きつけたヴァー...

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