第308章 一体誰が背後にいる

メシアは相変わらず冷静だった。氷雪で彫琢されたかのようなその男は、端然と座し、伏せた瞼で瞳の奥の感情を覆い隠している。口をついて出る言葉さえも、氷の欠片のように冷たく硬質だった。

「タシロは確かに死にました。墓碑もクロタール家が管轄する渓谷に建てられています」

メシアは淡々と言葉を継ぐ。

「先生ご自身がなさったことではありませんか?」

アズラエルは少なからず気まずさを覚えた。先ほどメシアと対面していなかったのが幸いだったと思い直す。でなければ、この気難しい男は怒りのあまり憤死していたかもしれない。だが、メシアが渓谷にあるタシロの墓について口にした時、その瞳には複雑な色が宿っていた。

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