第328章 ようやく会える

「それに……」

 アネルは小さく溜め息をついた。

 フリーデルとは単なる戦友としての情愛があれば十分、互いに平和に過ごせればそれでいい――そう割り切っていたはずだった。だが今、王都へ赴けばフリーデルに会えると考えただけで、アネルの心臓は抑えがたいほど激しく高鳴り始めていた。まるで自身の意志に反して、今すぐにでもフリーデルの元へ駆け出したがっているかのように。

(アネル、しっかりなさい。目を覚ますのよ)

 アネルは心中で自らを叱咤する。

 フリーデルが別の誰かを想いながら、それでも自分を選んだことは知っているはずだ。これまでの優しさだって、東部戦場で共に戦った戦友としての情誼に過ぎな...

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