第55章

アネルは少し考えて、確かにテリアンを助けることに抵抗はないと思った。

結局、タイタン家にいた頃、メリー奥さん以外では、テリアンとの関係だけがまだ良好だった。時々問題が起きて皆が彼女を非難する時も、テリアンだけは彼女のために少し弁護してくれたのだ。

彼女はずっと「恩には恩で、仇には仇で」という原則を信じてきた。今テリアンが自分の前に助けを求めてきたのだから、アネルも手を貸すことに躊躇はなかった。過去の恩を返すようなものだ。

「さっき言っていたわね、タイタンお祖母様の体調がまだ良くなくて、パスカル医師とも連絡が取れないと」

アネルは少し考えてから、言葉を続けた。

「彼が去ったのは私の要...