第64章 東部戦場

ケイ叔父さんは呆れたように彼女を見つめた。「なんだ、普段は男と変わりないと豪語しているくせに、こういう時になって女をどう殴るかなんて俺に訊くのか。俺が殴ったのは女か? 違う、俺が殴ったのはお前だ!」

カンティニは怒りで気が狂いそうだったが、傍らには守衛騎士が見ている。すでに大きな恥をかいた今、これ以上騒ぎ立てれば、面目を失うのは彼女の方だろう。

今最も重要なのは東部戦場だ。すでに二つの騎士団が駐留しているというのに、どういうわけか、ゾット城とヴィレ帝国が同盟を結んだ疑いがあるため、朝霧騎士団に支援要請が来たのだ。

カンティニはそれをあまり信じていなかった。南部戦場でのゾット城の戦いぶり...

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