第69章 深夜の訪問

アネルにとって、戦場に出ることはただ雑兵を何人か斬って閑職にありつき、そのまま一生をぼんやりと過ごすためではなかった。

求めるのならば、より良いものを。今や主を失った春藤騎士団こそが、最良の選択肢だ。

そう考えると、アネルは彼らに向かって頷いた。「わたくし、春藤騎士団への入団を希望いたします」

フリーデルの目に一瞬残念そうな色が過ったが、すぐに納得したようだった。アネルのような娘は、必ずや翼を広げて飛び立つ鷹なのだと彼は理解していた。彼女にはより多くの機会と地位が必要だが、ライオン騎士団の上級士官はすでに定員に達しており、これ以上彼女に相応しい配置を用意することはできない。

彼は頷い...

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