第78章 山中の駐屯地

「もうやめろ! 二人とも!」

ようやく冷静さを取り戻した者が現れ、慌てて制止の声を上げた。「出発前にフロール将軍とサスロフ元帥から言われたことを忘れたのか!」

殴り合っていた兵士たちはぴたりと動きを止め、互いに軽蔑と苛立ちの入り混じった視線を交わした。それから何事もなかったかのように立ち上がると、わずかに距離を保ちつつもきちんと整列する。

その態度の豹変ぶりに、アネルたちは感嘆の声を漏らしそうになった。同時に、彼らの口にした言葉が一体何だったのか、好奇心がますます募る。しかし残念なことに、その後の道中、六人は毒でも飲まされたかのように口を閉ざしてしまった。

アネルは仕方なく、...

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