第94章 誘導

 それこそが騎士長であるカンティニにとっては最も深刻な問題であった。

 おまけに、アネルが確かにいくらかの腕前を持っているのも事実だった。ホウデンは、彼女が不意を突いて勝利したような手段が戦場で通用するとは思っていなかったが、カンティニが言うほど彼女が無能でないことは認めざるを得なかった。

 しかし、それを聞いたカンティニはただ冷たく鼻を鳴らした。「分かってるわ。どうせあなたは手を貸してくれないのでしょう。だったらわたくしが捨て身で彼女にぶつかってでも、軍功を横取りしたという真相を皆に知らしめてやる。彼女にあのような褒賞は相応しくない。この軍で騎士団長の職を引き継ぐ資格がある女はわたくし...

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