第6章

 唐突に、ある予感が広昭の脳裏を掠めた。

 戦慄すべき可能性だった。

 彼は弾かれたように立ち上がり、ナナミの手からスマホをひったくる。

 送信履歴を開くと、案の定、そこに一通のメッセージが残されていた。

『親愛なる夏希お姉様へ。お姉様はずっと子供を欲しがっていましたよね。奇遇なことに、私、妊娠したんです。もし持ち株を放棄してくれるなら、この子にあなたを「ママ」と呼ばせてもいいですよ』

 広昭の全身の血が、一瞬にして凍りついた。

「貴様、何を送った!?」

 広昭はナナミの肩を掴み、激しく揺さぶる。その目は血走っていた。

「離してよ! 痛いじゃない!」

 ナナミは身をよじって...

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