第18章 彼は追い出される

「申し訳ありません。しばらく父と一緒に食事をしていなくて」

「今日は珍しく食欲もあったものですから、それで……」

綾部栞が小さな声で説明する。

宮本西衛は、やわらかな笑みを浮かべた。

「気にしなくていい」

「おじさんの体のほうが大事だし、それにちょうどこっちも急に大事な会食が入ったんだ。ある意味、都合がよかったよ。そうじゃなかったら、君を映画館に置き去りにするところだった」

それを聞いて、綾部栞の胸のつかえは少し軽くなった。

宮本西衛の車が走り去るのを見送ると、綾部栞はくるりと身を返し、病院へ戻ろうとした。

エレベーター前まで来た、そのとき。

ちょうど扉が開き、中に立ってい...

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