第12章 親友を頼って身を寄せる

桜井陽菜はわざとらしく目を見開き、驚いたふりで言った。

「絢香さん、どうしたんですか? そんなに泣いて……」

そして、慈しむような声色を作る。

「ほら、早く起きて。泣いてばかりじゃ体に障りますよ」

霧島絢香はばっと顔を上げた。真っ赤に充血した瞳で、相手を射抜く。

「……あんたの仕業だ」

一語一語、噛みしめるように。迷いなど欠片もない。

桜井陽菜は手を差し伸べかけた動きをぴたりと止め、出来立てのネイルを眺めながら、気だるげに言った。

「絢香さん、何のことかさっぱり。あなたが勝手に私の部屋に入ってきたんでしょう? こっちが聞きたいくらいです」

――私の、部屋?

霧島絢香はよろ...

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