第16章 彼が贈った花と宝石を捨てる

霧島絢香のことを、やっぱり安い女だと思っているのだろう。花束ひとつ、宝飾ひとつで買える、と。

「要りません。持って帰ってください」

霧島絢香は冷えた顔でそう言い、扉を閉めようとした。

しかし、腕を伸ばされて遮られる。男は困ったように眉を寄せた。

「九条夫人……九条様からのご指示でして。こちらも持ち帰るわけには……」

「それはあなたたちの都合。私には関係ない」

バン!

有無を言わせない口調で言い切り、霧島絢香は扉を閉めた。

花も、宝飾も、ひとつも受け取らない。視線すらくれない。

「高価な贈り物」など、彼女の目には何の意味もなかった。

玄関先に取り残された男二人は、顔を見合わ...

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