第20章 我慢の限界

霧島絢香は窓際のスペースを選び、そこで足を止めた。

外の陽射しは眩しいほどなのに、凍えた指先までは温めてくれない。

ほどなくして、遠くから近づいてくる足音。

九条雅人が現れ、冷えた眉間に苛立ちを滲ませる。

「俺に何の用だ」

絢香は視線を逸らさない。余計な挨拶もなく、いきなり核心を突いた。

「父が持ってる入札案件……いったい、何が起きたの?」

昨夜は眠れず、ネットで調べ、業界の知り合いにも当たった。

九条雅人は眉を上げ、背後の壁にもたれかかる。

「嗅ぎ回るのは得意らしいな。……そうだ。お前の父親は、城西のあの土地の入札でやられた」

彼の視線が、絢香の強張った横顔をなぞる。声...

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