第21章 いったいどういうことだ

そして今――霧島絢香は桜井誠治と並んで、警察署の正面に立っていた。

車がすっと停まり、絢香はドアに手をかける。指先が、かすかに震えている。

誠治がすぐに回り込み、彼女の腕をそっと支えた。声は落ち着いていて、やさしい。

「大丈夫。俺がいる」

絢香は唇を噛み、こくりと頷く。

それから二人で署内へ入った。

こんな場所に来たのは、ほとんど初めてだ。まして――父に会うために来るなんて、想像したこともなかった。

留置場の中は白い蛍光灯が眩しくて、目が痛いほどだった。

椅子に座る霧島英昭は、いつもならまっすぐだった背中が少し丸まっている。黒髪には白いものが増え、急に年を取ったように見えた。...

ログインして続きを読む