第35章 暗雲立ち込める

九条雅人は振り返り、霧島絢香の震えるほど怯えた様子を目にした。なぜだか胸の奥がきゅっと痛む。

それから声の調子を落とす。

「俺が何してるって? それこそ聞きたい。お前、桜井誠治とどういう関係だ」

霧島絢香は、また彼が爆発するのが怖くて、答えざるを得なかった。

「今日、父が釈放されたの。誠治さんがちょうど病院の近くを通るって言うから、迎えに来てくれただけ」

九条雅人の目が鋭く細まる。

「病院に何しに行った」

霧島絢香は一瞬、言葉を失った。そこを突かれるとは思っていない。

妊娠のことは隠したい。焦ったまま、口が先に動いた。

「べ、別に……その……生理が乱れてて。ちょっと診てもら...

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