第14章 地の果てまで追い詰めてでも、必ず連れ戻す!

月が天頂にかかり、夜気はしっとりと街を包んでいた。

長谷川遥斗が帰宅したとき、リビングはしんと静まり返っている。壁の掛け時計は、きっかり10時を指していた。

以前なら、どんなに遅くなろうと家には温もりがあった。諏訪詩織はいつも一灯だけ残し、彼が帰るのを待っていた。

それなのに今は違う。

ここはもう「家」ではないみたいだった。冷たく、がらんとして、息が詰まるほど寂しい。

キッチンからお手伝いさんがおそるおそる顔を出す。

「旦那様……」

薄暗い照明の下、男の瞳は深く沈み、刃物みたいに鋭い。

その視線が向けられただけで、お手伝いさんはびくりと肩を跳ねさせ、反射的にうつむいた。全身が...

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