第50章 自ら子どもを堕ろす

「遥斗、お願い……聞いて。私だって、こんなことしたくてしたんじゃないの。だって、あれは私の実の両親で……!」

林田美月が取り乱して言い募った、その次の瞬間。

顎を、長谷川遥斗の指が乱暴に掴んだ。

湛えた蒼い瞳から、氷みたいな冷気が迸る。唇には嘲りだけが浮かんでいた。

「説明はいらない。お前が何を企んでるかなんて、最初からわかってる」

ぐい、とさらに力がこもる。美月の喉がひゅっと鳴った。

「……今回だけだ。次にまた同じ真似をしたら、腹の子だろうが俺の手で潰す。容赦はしない」

その目を見た瞬間、林田美月の背筋を、底知れない恐怖がぞわりと這い上がった。

この男は、口にしたことを必ず...

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