第74章 詩織は妊娠した?

「このクズ! よくも私の夫に手ぇ出したわね! 今日こそぶちのめしてやる……!」

玄関から飛び込んできた女は、叫ぶなり林田美月へ一直線に突進した。

騒ぎを大きくしたくない鈴木丈史が慌てて腕を伸ばし、必死に遮る。

「おい、落ち着けって! な、なあ、聞けよ、説明するから……!」

丈史は女を押しとどめながら、美月に目で合図を送った。

早く逃げろ。今だ。ここに残ってどうする――そう言わんばかりだ。

美月も抜け目はない。妻が入ってきた瞬間、すでにバスタオルで頭をぐるりと包み、顔を隠していた。

丈史が妻の動きを止めた隙に、ぐっと息を吸い、玄関から廊下へ飛び出す。

だが、鈴木丈史の妻がこの程...

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