第155章

私は一瞬呆気にとられた。

「後藤さん、あのような場所はかなり雑然としていますから、ご自身で足を運ばれるのは少し不都合かと存じますが」

「デザインというものは、実際にその場に身を置いてこそ深く理解できるものでしょう?」

彼は立ち上がった。

「明日の午前九時、ホテルまで迎えに行きます。一緒に向かいましょう。都合はいかがですか?」

断ればかえって怪しまれると思い、私は頷くしかなかった。

「分かりました」

「では、今日はここまでにしましょう」

後藤辰和は上着を手に取った。

「送っていきましょうか?」

「結構です。タクシーで帰りますから」

「ついでですよ」

彼はすでにドアの前に...

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