第99章

「少なくとも、僕たちはまだ一緒にいる。そうだろう?」

後藤辰和はそっと私の手を取り、薬指に嵌められたダイヤの指輪を見つめた。

私はその手を冷たく振り払い、無表情のまま告げる。

「やりたいことは、もう全部済んだんでしょう?」

後藤辰和は軽く笑った。

「まだだと言ったら?」

私は視線を上げ、冷ややかに彼を見据えた。

「後藤さん。時間はあなただけのものじゃないわ。私の時間だって、同じくらい貴重なの」

「特に重要な用事がないなら、これ以上私の時間を無駄にしないでちょうだい」

今の私は、後藤辰和の顔を見るだけで苛立ちを覚える。

私は指輪を苛立たしげに回した。

後でどうにかして、こ...

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