第185章 私たちこそが君の身内だ

中村楓は目頭を熱くさせ、今にも涙を零しそうになっていた。

その痛々しい姿を見て、中村信もまた胸を痛める。

中村陸が歩み寄り、ゆっくりと口を開いた。

「楓。俺や父さんが悪人だと思うか?」

「そんなわけない」

「なら、どうして小川和真の言葉を信じて、俺たちのことは信じないんだ?」

「でも、あいつがあんなことを……」

言葉に詰まり、中村楓は嗚咽した。

「小川和真の言うことが、必ず正しいと言い切れるのか?」

中村陸は彼女に考える隙を与えない。

「あいつは鈴木七海の味方だ。言動のすべてが鈴木七海を庇うためのものだ。見てわからなかったか? 今夜の晩餐会だって、鈴木七海のために開いたも...

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