第245章 株式譲渡

室林繁の電話はいくら掛けても繋がらなかった。

胸に抱いていた希望は瞬時に失望へと変わったが、どうしても諦めきれず、室林繁の助手に電話を掛けてみた。今度は繋がったものの、相手の声はどこか気まずげで、思わず言葉を漏らした。

「青崎さん?」

「室林繁に一度会いたいの。伝言をお願いできるかしら」

「室林さんはまだ多くの用事を抱えておりまして、誠に申し訳ございません」

助手は考える素振りすら見せず、彼女の頼みをきっぱりと断った。

青崎由佳は一瞬呆然とした。室林繁の助手にこれほどすげなく拒絶されたことなど、今まで一度もなかったからだ。

相手はそう言い捨てると、彼女の返事を待つことなく、一方...

ログインして続きを読む