第260章 妥協を決める

今この瞬間、彼女は少し途方に暮れているようで、どうすればいいのか分からなくなっていた。

彼女は鈴木七海のシステムをハッキングし、鈴木七海が室林永子のことで頭を悩ませているのを知ったからこそ、正確なコードデータを提供したのだ。それは彼女なりの、鈴木七海への歩み寄りだった。

しかし、鈴木七海からすれば、ただ能力を見せつけられたようにしか感じられなかったのだろう。

鈴木七海は彼女の行動すべてを疑ってかかる。今回ばかりは本当に助けようとしているだなんて、思いもしないはずだ。

たとえ私情が絡んでおり、確かに村上明慶のためという理由があるにせよ。

だが、母親が自分の子供を助けたいと願って、何が...

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