第33章 あなたはファーストラブに値しない

無論、オークショニアにとってこのような競り合いは願ってもない状況だ。

競争が激しくなればなるほど、彼の実入りも多くなる。

彼は鈴木南に目をやり、次に鈴木七海に目をやり、口元に笑みが広がった。

「それもそうでしょう。お二人のような美しいご婦人が真実の愛を望まれるのは当然のことです」

鈴木七海は彼の言葉が耳に入っていないかのように、視線を鈴木南に向けた。

その眼差しは炬火のごとく、燃え上がらんばかりの熱を帯びている。

今回、鈴木南はもう避けようとはせず、彼女の視線を受け止め、浅く微笑んだ。

彼女は薄い唇をそっと開き、柔らかな声で叫んだ。「五千万!」

会場は驚きの声に包まれた!

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