第48章 私はあなたを追い求めている

中村家の別荘を出た鈴木七海は、タクシーで直接マンションへと戻った。さすがに少し疲れていた。

そのため、簡単な身支度だけ済ませると、彼女はすぐにベッドに潜り込んだ。

翌朝早く、意識がはっきりするよりも先に、携帯電話が鳴り響いた。

眠い目をこすりながら、ベッドサイドの携帯を掴むと、ディスプレイには佐藤奈須の名前が表示されていた。

こんなに早くから、一体何の用だろう?

「何の用?」

彼女の声は気だるく、普段のクールで淡々とした口調とは明らかに違っていた。

「よぉ、姫。まだ起きてなかったのか?」

彼の口調は軽やかで、まるで昇り始めたばかりの朝日ように明るい。

「窓の外、見てみなよ」...

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