第56章 お前は本当に自業自得だな

幸福マンションの古びた一室は、煙が立ち込めていた。

北村賢太はソファの上であぐらをかいており、腹の贅肉が何層にも重なっている。

「親父、俺が言ったあの方法、どう思う?」

父親の北村翼は、指に挟んだ煙草を燻らせながら、考え深げに言った。「それは違法じゃないのか?最近は替え玉受験の取り締まりが厳しいと聞いているが」

北村賢太は太ももを一つ叩き、焦ったように言った。「言っとくけど、普通の奴はもちろん替え玉受験なんて度胸はないさ。でも考えてみろよ、こいつらは普通じゃない、この市でも名のある連中だ。それに、あいつはあんなに勉強ができるんだ。今年がダメでも、来年もう一回受ければいい」

北村賢太...

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