第111章

鴉城咲夜は、まるで我が家であるかのようにソファに半身を預け、くつろいでいた。

 雨宮澪は、その姿を見るだけで不愉快でたまらなかった。

「自分のしでかした不始末を認めないどころか、少しも悪びれる様子がないなんてね。その面の皮の厚さ、城壁も顔負けだわ!」

「他人の家に上がり込んで、厚かましく飲み食いしてる人に言われたくないわね」

 口喧嘩にかけては、鴉城咲夜も負けてはいなかった。

 雨宮澪はテーブルの上の蜜柑を掴むと、力任せに投げつけた。

「もう一遍言ってみなさいよ!」

「言ったわよ、それが何!?」

 鴉城咲夜も立ち上がり、声を荒らげる。

 二人の空気は一触即発、今にも取っ組み...

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