第131章

「さっき、誰に電話してたの?」

 雨宮澪が尋ねると、

「柚季よ。でも、なぜか繋がらないの」

「昨日の雨で、携帯が水没したと言っていたな」

 鷺沢雪紘は、ふと思い出したように言った。

 雨宮澪は眉をひそめた。

「だとしても、今日新しいのを買いに行くべきだわ。連絡がつかないなんて、心配でたまらないじゃない」

 鷺沢雪紘は、光ちゃんに視線をやった。

 小さな女の子はうつむいて食事をしているが、その耳は大人たちの会話を拾おうとそばだてられている。

 彼は淡々と言った。

「問題ない」

 雨宮澪は、この男は水無瀬柚季のことを少しも心配していないのかと腹を立て、言い返そうとしたが、隣...

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