第152章

雨宮澪はすぐに光ちゃんを連れて階下へ戻ってきた。どこか困ったような、それでいて呆れたような口調だ。

「この子、どうしてもパパと一緒じゃなきゃ寝ないって聞かなくて」

 よほど怖かったのだろう。

 ママが消えてしまったという事実が、今の光ちゃんに「パパも消えてしまうかもしれない」という強い恐怖心を植え付けていた。

 鷺沢雪紘は立ち上がった。

「二階に客室がある。泊まりたいなら、勝手に部屋を見つけてくれ」

 帰りたいなら帰ればいい。今の彼には、どちらでもよかった。

 階段を上っていく父娘の背中を見送りながら、雨宮澪はどうしても不安を拭いきれなかった。

「私たちも、今夜はここに泊まっ...

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