第157章

「ママがどこに行ったのかわかんないの。パパと一緒に、もうずーっと探してるんだけど……」

 光ちゃんは、地面の小石を人差し指でいじっていた。

 硬い石の感触が指先に食い込み、少し痛む。それでも彼女は、意地になったように指を押し付け続けた。

「ママは悪い子。私を一人で置いてっちゃったんだから」

「変なところで区切らないでよ、びっくりするじゃないか」

 少年は胸を撫で下ろした。てっきり、母親が亡くなったのかと思ったのだ。

 あんなに優しいおばさんが、そう簡単に不幸に見舞われるはずがない。

「きっと長生きするさ」

 光ちゃんは大きく頷いた。

「うん、私もママはきっと大丈夫だと思う。...

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