第175章

雨宮澪と椎葉櫂は、互いに顔を見合わせた。

 雨宮澪がグラスを掲げる。

「婚約おめでとう。早く結婚式を挙げて、末永くお幸せにね」

 千春優奈は淑やかに微笑んだ。

「ありがとうございます」

 そこへ鴉城蒼が歩み寄り、千春優奈の肩を抱き寄せた。その目尻は喜びで下がっている。

「今日は二人が来てくれて本当に嬉しいよ。式の後も絶対に帰らないでくれよ、二次会があるんだからな」

「ねえ、おばちゃん。おばちゃんには姉妹とかいないの?」

 不意に、光ちゃんが尋ねた。

 千春優奈はきょとんとした顔をした。

「いないわよ。おばちゃんは一人っ子なの」

「じゃあ、ママとおばちゃんは……」

 光...

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