第106章 忠告

交差点に神宮寺蓮の車の姿はなかった。

なぜか西園寺希美の胸にざわめきが走り、不吉な予感が心をかすめた。

神宮寺蓮は、約束を違えるような人間ではない。

不安に駆られた彼女はうつむき、彼へメッセージを打ち込んだ。

一方、居川梨乃は直接電話をかけていた。一度コールしたが応答はなく、すぐに見切りをつけて自宅の運転手に連絡を入れた。

「運転手を呼んだわ。蓮さん、何か用事で遅れてるのかもしれない」

彼女がそう話している間に運転手との通話が繋がり、簡単に状況を伝えて電話を切った。

そして、まだスマートフォンを握りしめている西園寺希美を見て、提案した。

「ついでに乗っていきなよ。どうせお隣さ...

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