第15章 かつての夢

それは、彼女が入社したばかりの頃に書き記したものだった。未来への憧れと、デザインに対する畏敬の念を込めて。

初めてデザインを一人で完成させた時の興奮、自分の作品がランウェイを飾った時の熱い涙……そして三年前、神宮寺蓮が彼女のデザイン画を手に取り、「霊感(センス)がある」と言ってくれた時の胸のときめき。それらを、昨日のことのように覚えている。

だが今となっては、すべてが笑い話だ。

彼女は最新の『スターライト』の手稿を開いた。そこには、西園寺玲奈の指示による無数の修正が、紙面を埋め尽くすように書き込まれていた。

『プラネタリウム装置を廃止、ピンクのバルーン装飾に変更』

『メインドレスは...

ログインして続きを読む