第152章 慶事

リビングのテレビには、最近話題のお笑い番組が映し出されていた。

スピーカーからはゲストや司会者の爆笑が絶え間なく流れてくるが、リビングのソファに座る二人は、誰一人として笑っていなかった。

家政婦の晴山が、甘酒入りの白玉(しらたま)を煮て運んできた。量は少なく、三、四口で食べきれる程度だ。

だが、西園寺希美はすぐに手を伸ばそうとはしなかった。

彼女は器を見つめ、躊躇していた。

この子を産むつもりはないとはいえ、多少なりともアルコールは控えるべきではないか――そんな迷いが頭をよぎったのだ。

その考えが脳裏をかすめた直後、隣に座っていた男が突然手を伸ばし、その器を奪い取った。

そして...

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