第153章 西園寺雅史着地

午前三時三十分、米国ロサンゼルス発の旅客機が臨海市国際空港に着陸した。

ファーストクラス専用の税関検査場出口。その待合エリアに、ラフなカジュアルウェアに身を包んだ黒田洋二の姿があった。

やがて、通路の突き当たりから車椅子に乗った人影が現れる。

黒田洋二はスタジャンのポケットに両手を突っ込み、ガムを噛みながら周囲を伺っていた。その姿は待合エリアの中で最も目立たない存在として溶け込んでいる。

車椅子の男がゲートを出て、前方の人の波が引くと、その顔が露わになった。

端整で色白な顔立ち。年齢は三十前後だろうか。目の下には微かに隈ができている。全体的に痩身だが、袖から覗く腕には薄く筋肉がつい...

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