第170章 多角関係

本邸の脇にある茶室。

屏風の裏に入った途端、神宮寺直人が背後から覆いかぶさるように身体を寄せてきた。

草柳真名は背筋を強張らせ、慌てて彼を突き飛ばした。

「気でも狂ったの? ここは神宮寺家よ!」

「言わなきゃバレないさ」

神宮寺直人は突き飛ばされても、たたらを一つ踏んだだけで、すぐにまた懲りずにすり寄ってくる。その厚顔無恥な様子は、まるで主人にまとわりつく発情した犬のようだった。

草柳真名は瞳の奥に苛立ちを滲ませ、相手の顔に手を当てて強引に押し返した。

「いい加減にして! 私たちがまだ繋がっていることがバレたら、あなたの計画も水の泡になるのよ!」

彼女の口調は厳しいが、その言...

ログインして続きを読む