第189章 現場を押さえられる

シチリア島、アマルフィア。

その知らせが届いたとき、村居大輔はワイン醸造所の庭に寝そべり、初冬の日差しを全身に浴びていた。

ズボンのポケットで携帯電話が震えた瞬間、村居大輔は自分の休暇が終わったことを悟った。デッキチェアから身を起こし、凝り固まった背筋を伸ばしてから、やおら携帯を取り出す。

画面を見るまでもない。送り主は神宮寺蓮だ。

村居大輔は手近なブドウを一粒ちぎって口に放り込み、緩慢な動作でメッセージを開いた。

てっきり、西園寺さんの件で進展があったのだと思っていた。

村居大輔が焦っていないのには理由がある。そもそも西園寺希美を連れ去ったのは橘奏太だ。あの橘家の「若様」が、常...

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