第237章 別の道を切り開く

エトワール共和国カンヌ、楓谷(かえでだに)別荘。

南向きの部屋の外から、日差しが斜めに降り注いでいる。金や翡翠(ひすい)のような光の斑点がバルコニーの床で揺らめき、ガラス窓を通して室内の観葉植物やソファに落ちていた。

常緑の植物たちは、この天気の中にあって一際、生機に満ち溢れている。

白地の柔らかな張り地に花の刺繍が施されたソファは、中材がふんわりとしており、腰を下ろせば身体が心地よく沈み込む。

西園寺希美はこのセットの中でも、特にその一人掛けのソファを気に入っていた。

先ほど電話をかけた時も、ここに座っていたのだ。

今、彼女は垂らした手でソファの刺繍をなぞりながら、胸の奥に広が...

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