第290章 ナタサの異常

ロサリヤの言葉に続き、今度はソフィアの声が響いた。

「何事ですか」

その声は低く落ち着いており、一抹の動揺も感じさせない。しかし、支配者としての威圧感を纏った、純粋な命令としての問いかけだった。

ロサリヤの気遣うような口調とは異なり、ソフィアの言葉には一切の妥協を許さない絶対的な支配力が滲んでいる。西園寺希美はたった一言で、彼女が権力者として放つ絶対的なオーラを感じ取った。

少し気を緩めていたナタサは瞬時に背筋を伸ばし、恐る恐る視線を向けた。

西園寺希美はすでに気力を取り戻していた。神宮寺蓮に寄りかかって立ち上がり、腕の痛み以外に不調はない。

それでも神宮寺蓮は彼女の腰を抱き寄せ...

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