第97章 公明正大

西園寺希美は、まさか自分が神宮寺家の御隠居と食卓を囲む日が来るとは、夢にも思っていなかった。

彼女が住まわされている離れは、長年使われていなかったためにガスが通っておらず、食事のたびに母屋へ出向いて御隠居と共に摂るしかなかったのだ。

その場に、神宮寺蓮の姿はない。

彼は今、西園寺明が残した不始末の後処理に追われている。

神宮寺家の御隠居は寡黙な人物で、食事中も終始無言を貫いていたが、席を立つ際、唯一言葉を発した。

「明日は身内の食事会がある。粗相のないよう準備しておけ」

西園寺希美は黙って頷いた。

食事が済むと、西園寺希美はすぐに西の離れへと戻った。

黒田洋二たちが彼女の荷物...

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