第175話

イヴェインは否定しようとしたが、無駄だった。

それから、彼女は奇妙な含み笑いをした。

「ちょっといい感じの人ができたかも。ほんと、軽い感じで。同棲とか絶対してないから。ただ忙しかっただけ」

「え、何?」私は身を乗り出した。「誰なの、その人?」

「ほら、見て」

彼女はスマホを取り出し、その画面を私の顔に突きつけた。

ありえないくらい整った顔立ちの、童顔の男の子の自撮り写真がこちらを見つめている。ぽってりした唇。強い眉。毛穴ゼロ。

私は目を細めた。「この人、前にも見たことある。ネットで口パク動画とかあげて、上半身裸でキメてる男の子の一人じゃない?」

「そう、彼よ」彼女は顔を輝かせて言った。「フォロ...

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