第185話

司会者がプロトコルの変更について長々と説明を続けている間、私はアシュトンの方を向いた。

「オクタヴィアから聞いた?」

彼は頷いた。「ハドリーは俺の友人の部下でね。そいつに頼んで調べてもらったんだ。デュボワは金を受け取った。六十万だ。二日前に振り込まれた。海外口座に。すべてを指示したのは彼女だ。妨害工作も、すり替えも、全部彼女からの指示だ」

私は眉をひそめた。「彼女のことなんて知りもしない。今日まで会ったこともなかったのに」

「彼女はただの実行犯だ。ハドリーには支払いがあったことを突き止めるだけで時間切れだった。送り主までは追えなかったんだ。巧妙に隠蔽されてる。やった奴は手口を心得てるな」

「ふ...

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