第192話

「賄賂なんて誰にも渡していない! 合法的な書類だ。公証人役場へ行けば確認できる! 私は――」

フランクリンは言葉に詰まった。

激しい咳が彼の言葉を遮る。

首は真っ赤に染まり、汗が髪の生え際に滲んでいた。

アシュトンは何も言わない。

その目はフランクリンをゆっくりと観察するように動き、まるで彼の芝居が続くのを待っているかのようだった。

フランクリンはもう一度、同じ弁解を繰り返し、さらには文章を並べ替えてまた試みた。

アシュトンは聞くのをやめた。

「もういい」と彼は平坦な声で言った。「前回の会話は一言も聞いていなかったようだな」

フランクリンは瞬きした。「な、何のことだ?」

「つまり、あんたを見張...

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