第276話

私は凍りついた。

一秒後、彼の言葉の意味が突き刺さってきた。

パニックがこみ上げ、私は首を左右に振り、果てしない海原を必死に見渡した。

左を見ても、何もない。

右も、同じく。

前にも、後ろにも、何もない。

分かっておくべきだった。あれほどの破壊を前にすれば、小さなヨットが生き残れる可能性など、ほとんどないということを。

アシュトンと私は、海に取り残されたのだ。

その考えに、私は手に握ったレギュレーターを強く握りしめた。

力強く水を蹴り、私は前方に見える小さな島に向かって泳いだ。

アシュトンもすぐに後を追ってくる。

私は砂浜に這い上がり、酸素ボンベとフィンを引き剥がすように脱ぎ捨て、浜辺をよろめ...

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