第338話

今日のアシュトンの態度には、心底驚かされた。彼は本当に変わりつつあるのだろうか? ついにジュヌヴィエーヴを庇うのをやめるのだろうか?

彼女が好むと好まざるとにかかわらず、指紋は採取された。

結果が出るまでに、そう時間はかからなかった。ルビーから私の指紋は一切検出されなかった――だが、ジュヌヴィエーヴのものはべったりと付いていた。

「どうやら、はじめからあなたの仕業だったようですね、お嬢さん」アシスタントの声には、硬い響きがあった。明らかに、利用されたことを快く思っていない。

ハワード氏はジュヌヴィエーヴを睨みつけた。「ローラン様が機転を利かせてくださらなければ、危うく我々全員が騙されるところで...

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