第355話

彼を睨みつけるように首を捻った。「これ以上、何を望むって言うの?答えはノーよ」

疲れてないなんて誰が言った?私は疲れ果てていた。もう一戦を免れるために、ここから立ち去ろうとしていただけだ。

「何を考えてるんだ?」と、彼が白々しい無邪気さを声に滲ませて尋ねた。「ただ、疲れているならマッサージをしてやろうと思っただけだ」彼の手が私の腰に置かれ、親指がしっかりとした、心地よいリズムで押し込まれる。

驚くほど気持ちが良かった。

彼を信用していいのか分からなかったが、一分ほど彼がただ私の筋肉の凝りをほぐしてくれるのを味わっているうちに、私はリラックスして目を閉じた。これを楽しんで何が悪いの?へとへとにさ...

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