第374話

アシュトンはそこに立ち、切ないほど懐かしい、あの見慣れた眼差しで私を見つめていた。

心臓が頼りなく小さく震える。

やっとのことで声を出せたとき、自分でも気づかないうちに、それは緊張で上ずっていた。「あなた……ここで何してるの?」

「……赤ちゃんたちに会いに来た」とアシュトンは言った。

「ああ、そう」

そっか。それだけが目的だったんだ。

「この数日、どうだった?」

てっきり、まだ赤ちゃんたちのことを聞いているのかと思った。

「順調よ」と、私は何気ないふうに言った。「よく食べてよく寝てる。赤ちゃんたちも元気よ」

「それは良かった」

「うん」

私達は向かい合ったまま、二人とも言葉に詰まってしまった。...

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