第390話

すぐに彼女の方へ泳いで寄った。「どうしたの?」

彼女は私に抱きついてきた。「ママ、ここにサメはいるの? サメが来て食べられちゃったらどうしよう?」

思わず笑ってしまった。

彼女の鼻を軽くつんとつつく。「おばかね。下には防護ネットが張ってあるのよ。サメは入ってこれないわ」

「本当?」彼女はまだ目を丸くしている。「でも、ネットを破っちゃったら?」

「大丈夫よ」と私は言った。「もしそんなのがいても、スタッフがすぐに見つけてくれるわ」

彼女は完全には納得していない様子だった。ただ私に強くしがみつき、小さな眉を寄せている。

アシュトンが腕時計に目を落とした。「昼食の時間だ」

ミニーは水から上...

ログインして続きを読む